別冊秋号 血圧
26 病態から見る血圧—アナフィラキシーショック
髙澤 知規
1
1群馬大学医学部附属病院 集中治療部
pp.157-162
発行日 2019年9月14日
Published Date 2019/9/14
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200103
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麻酔中に血圧の予期せぬ低下を認めた場合,念頭におかなければいけないのが,アナフィラキシーショックである。特に導入時は,麻酔薬の影響と区別しづらい。もし麻酔薬の影響で血圧が低下したのであれば,エフェドリンやフェニレフリンといった昇圧薬の投与で回復することが多いが,アナフィラキシーショックの場合,それだけで血圧が回復することはまれである。また,アナフィラキシーであれば,血圧の低下以外に,紅斑や蕁麻疹といった皮膚症状や,気道内圧の上昇や動脈血酸素飽和度の低下といった呼吸器症状を伴うことが多い。
本稿では,導入時に発生したアナフィラキシーショックの一例1)を提示し,特に循環器症状について,病態,診断,治療について解説する。
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