別冊秋号 血圧
24 病態から見る血圧—大動脈炎症候群,高安動脈炎
中澤 春政
1
,
萬 知子
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.145-150
発行日 2019年9月14日
Published Date 2019/9/14
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200101
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症例
50歳の女性。身長140cm,体重45kg。子宮頸癌で子宮全摘出術が予定された。25歳時に高安動脈炎を発症し,プレドニゾロン,アザチオグリン,ニフェジピンの内服治療中。アスピリン内服は1週間前に中止した。血圧は,右上肢200/95mmHg,左上肢180/90mmHgである。左橈骨動脈は触れにくい。下肢の血圧は右150/70mmHg,左80/50mmHgであった。下肢足背動脈は触れる。心電図で左室肥大あり。右頸部血管雑音あり,失神の既往がある。狭心症状なし。経胸壁心エコーでは軽度左室肥大を認めるものの,左室拡張障害は認めず,左室駆出率(LVEF)70%と収縮能も正常であった。中等度の大動脈弁閉鎖不全症aortic regurgitation(AR)を認めたが,僧帽弁,三尖弁,肺動脈弁機能に異常は認めなかった。CTで上行大動脈径が40mmであった。CRP 0.5mg/dL,WBC 6000/μL,Cr 0.5mg/dL,赤血球沈降速度14mm/hr。
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