今月の主題 膠原病—活動性の評価と治療の選択
臨床的活動性の評価と予後に影響する因子
高安動脈炎
森脇 龍太郎
1
,
沼野 藤夫
2
1東京都立墨東病院・救命救急センター
2東京医科歯科大学・第3内科
pp.2238-2240
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900579
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高安動脈炎は大動脈およびその基幹分枝,肺動脈,冠動脈を病変の主場とする非特異的な慢性動脈炎で,内腔の狭窄性病変あるいは動脈瘤などの拡張性病変をきたす.大動脈弓の主要分枝である腕頭動脈,鎖骨下動脈,総頸動脈領域を主病変とすることが多く,そのために橈骨動脈拍動が減弱ないし消失するため,“脈なし病”とも呼ばれる.
上行大動脈基部の拡大のため弁輪の拡張をきたし,その結果,大動脈弁閉鎖不全症(以下,AR)を合併し,早期から心不全に陥ることもあり,注意が必要である.下行大動脈の広範囲な狭窄性病変により異型大動脈縮窄症を,また腎動脈の狭窄・閉塞性病変により腎血管性高血圧症を呈することも稀ではない.
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