特集 透析診療のすべて
Part 3 透析診療におけるトラブルシューティングと合併症管理
19.透析患者と心脳血管疾患③下肢閉塞性動脈疾患—いかに疑うか,そして適切な専門施設に紹介できるかが運命の分かれ道
小島 俊輔
1
,
仲間 達也
1
Shunsuke KOJIMA
1
,
Tatsuya NAKAMA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科
pp.489-492
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901157
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腎不全の罹患と維持透析の開始,また透析期間の長期化により,全身の血管の動脈硬化が進行し,冠動脈疾患や脳梗塞,そして本稿のテーマである末梢動脈疾患の合併頻度も上昇する。いわゆる多血管病poly-vascular diseaseの病態である。日本における腎不全患者での下肢動脈疾患の合併頻度は,透析導入期で24.3%,維持期で37.2%1)と高値である。日本では無症候性が多いことが特徴であり,症状が乏しいまま重症化することもあるため,慎重な評価とフォローが求められる。
本稿では,近年変化しつつある概念,用語の整理をしつつ,無症候性の末梢動脈疾患の特徴,また機能検査に焦点を当てて述べる。
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