特集 感染症3
Part 1 病態編① シナリオ別に考える発熱患者・感染症への対応
3.悪性腫瘍と発熱—複雑化する担がん患者対応のアップデート
武田 孝一
1
Koichi TAKEDA
1
1がん研有明病院 感染症科/腫瘍リウマチ膠原病科
pp.561-573
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901062
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抗悪性腫瘍薬といえば「殺細胞性抗がん薬」や「ホルモン療法薬」を意味していた時代から,2000年代に入り「分子標的薬」が,さらに2011年以降には,がん治療に革命をもたらした「免疫チェックポイント阻害薬」も加わるようになった。このようながん薬物療法の進歩に伴い,担がん患者が発熱した場合には,遭遇頻度が高かった従来の発熱の原因を鑑別に挙げるだけでは対応しきれなくなってきている。
本稿では,各種抗悪性腫瘍薬の感染症リスクを見積もるための基本的知識や,免疫チェックポイント阻害薬と免疫関連有害事象(irAE)に関する最新のエビデンスを述べつつ,最後に腫瘍熱について簡単にふれる。
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