特集 感染症3
Part 1 病態編① シナリオ別に考える発熱患者・感染症への対応
2.術後患者の発熱—時間軸および手術部位からのアプローチ
古谷 賢人
1
,
伊東 直哉
2
Kento FURUYA
1
,
Naoya ITOH
2
1静岡県立総合病院 臨床検査科/感染対策部 感染対策室
2愛知県がんセンター 感染症内科部/感染対策部 感染対策室
pp.547-559
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901061
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初期研修医の外科ローテーションが必須となり,周術期管理をまったく経験したことがない医師は今後減っていくだろう。とはいえ,術後患者の発熱は一見複雑にみえるため,苦手意識をもっている内科医は少なからずいると思う。ドレーンや血管内カテーテルといったさまざまなデバイスが挿入されていることに加え,周術期に多様な薬剤の投与や輸血が行われていること,手術により解剖学的異常が生じていること,などがその理由ではないだろうか。また,病歴聴取や身体診察が鎮静薬・鎮痛薬の影響で正確に評価できないことも多々あり,これも頭を悩ませる原因の1つである。しかし,術後患者の発熱へのアプローチは意外にシンプルであり,一度理解できれば市中感染症よりも鑑別の幅は狭く,対応しやすい。本稿でそのアプローチ法を解説する。
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