特集 不整脈1—上室性不整脈
7.発作性上室頻拍:房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)—房室結節内の2つの伝導路を頻拍回路とする不整脈
松永 泰治
1
Yasuharu MATSUNAGA
1
1大阪労災病院 循環器内科
pp.683-691
発行日 2022年2月24日
Published Date 2022/2/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900954
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
房室結節リエントリー性頻拍atrioventricular nodal reentrant tachycardia(AVNRT)とは,房室結節内に順行性・逆行性伝導を頻拍回路として有する不整脈である。房室結節内の伝導は,速伝導路fast pathwayと遅伝導路slow pathwayとに分類される。AVNRTは,通常型(slow-fast AVNRT)と稀有型(slow-slowおよびfast-slow AVNRT)に分類され1),通常型AVNRTがAVNRT中の90%を占めるといわれている。
稀有型AVNRTに関してはirregular form tachycardiaを呈したり2),房室ブロックを伴ったうえで持続したり3),電気生理学として非常に複雑かつ魅力的な分野ではあるが,本稿ではホスピタリストの読者を対象に,通常型AVNRTを中心に解説する。電気生理学の面白さを感じた方は,是非稀有型AVNRTに関する成書を読んでいただきたい。
Copyright © 2022, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.