特集 外来マネジメント
【各論】
【コラム②】振戦・ふるえ—治療可能な症状を見逃さない,外来での目のつけどころ
原瀬 翔平
1
,
柴山 秀博
1
Shohei HARASE
1
,
Hidehiro SHIBAYAMA
1
1亀田総合病院 脳神経内科
pp.64-69
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900645
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外来診療において,「手がふるえる」「声がふるえる」などさまざまなふるえが観察されるが,患者が訴えない,困っていないなどで,きちんと評価されずに済まされているケースが少なからずあるのではないだろうか。ふるえは数ある不随意運動のなかで最も外来での遭遇頻度が高く,かつ,背景疾患に対する治療介入の余地がある。ふるえのなかには本態性振戦essential tremor(ET)だけでなく,Parkinson病Parkinson's disease(PD),薬剤性,代謝性疾患などが背景に隠れており,ポイントを絞った病歴聴取と診察で診断可能なことが多い。
本稿では外来診療でふるえに遭遇した場合を想定し,ほかの不随意運動との比較をしながらより効率的なアプローチで評価を行うべく,背景疾患の診断から治療までの一連の流れについて症例を通じて議論していく。
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