講座 図解病態のしくみ 肝臓病・6
劇症肝炎・亜急性肝炎
樋口 清博
1
,
渡辺 明治
1
1富山医科薬科大学・第3内科
pp.2302-2310
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901907
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急性肝不全とは,広範な肝組織の壊死により引き起こされる病態である.この病因はいまだに不明であるが,肝固有のマクロファージより放出される各種因子による,広範な肝微小循環不全がその原因として有力視されつつある.一方,肝臓は生体において代謝の中心であるのみならず,網内系でも中心的な役割を果たしている臓器であるため,急性肝不全においては各種の代謝異常,エンドトキシン血症を惹起し,これにより多臓器不全を合併することが特徴である.
以下,概念,発症メカニズム,合併症の発現機序などを中心に急性肝不全について述べることとする.
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