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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
3章 消化器疾患
急性肝不全(劇症肝炎を含めた)
Acute liver failure
中山 伸朗
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
pp.406-407
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201944
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正常肝ないし肝予備能が正常の症例に肝障害が生じて,プロトロンビン時間(PT)が40%以下ないしはプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)値が1.5以上を示すものを“急性肝不全”と診断する1).“急性肝不全”は,“非昏睡型”と“昏睡型”に分類される.“劇症肝炎”は,“昏睡型”に含まれる.“昏睡型”には“急性型”と“亜急性型”の2つの病型があり,類縁疾患に遅発性肝不全(LOHF)がある.成因は肝炎と,循環障害や代謝性などの非肝炎に大別される.厚生労働省研究班の全国集計に登録された2010〜2016年発症の急性肝不全およびLOHF症例のうち,肝移植は全症例の10.8%,肝炎の昏睡型とLOHFに限定すると23.9%で実施され,救命率は82.9%だった2,3).非移植例では病型によって予後が大きく異なり,肝炎の救命率は,非昏睡型88.3%,急性型41.6%,亜急性型24.8%,LOHF 7.0%であった.
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