特集 老年科
【急性期各論】
【コラム5】疼痛ケア—「痛み」をバイタルサインの1つととらえ,効果的に介入する
伊藤 真次
1
Shinji ITO
1
1Kokua Kalihi Valley Comprehensive Family Services
pp.766-775
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900493
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高齢者における疼痛ケアの最も大事な目標は,痛みや痛みによる苦しみをコントロールして,身体機能をできるだけ維持し,QOLを保つことである。「第5のバイタルサイン」ともいわれる1)「痛み」は,身体的側面だけでなく,精神的,社会的,宗教的,文化的な面とも関連し,行動や社会生活にまで影響をもたらすため,QOLを考えるうえでは非常に重要である2)。また,痛みは主観的なものであることに加え,認知機能に問題のある高齢者では,訴えが乏しかったり非典型的な訴えをするため過小評価されて,しっかりと治療されないことが多い3)。
本稿では,この「痛み」をバイタルサインの1つととらえて,我々が日々遭遇している高齢者の急性期の痛みを,より頻繁に,より包括的に評価し,効果的な治療介入を行えるようにすることを目的としている。
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