フロントライン 2002 老人看護
痛みは5番目のバイタルサインである—(1)高齢者の慢性的な痛みのアセスメント
Andrea S. Schreiner
1
,
守本 とも子
2
,
俵 由美子
2
1日本赤十字九州国際看護大学
2広島国際大学保健医療学部
pp.78-85
発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903888
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はじめに
最近,高齢者における医療の専門家で組織される委員会(RAND, Washington, DC 20005, USA)で,ナーシングホーム入所者の健康と生活の質を改善するための主な方法を究明しようという動きがある.委員会は健康に関する問題のある状態を21項目列挙した.そのリストには,痛みの管理が含まれており(Sloss, et al., 2000),ナーシングホーム入所者の痛みに対する不適切な薬物治療が,改善されるべき状態の第一に挙げられていた.
American Medical Association(AMA:米国医師会)の正式な下部組織であるThe American Pain Societyは,「現代社会における痛みの治療の不適切さを容認することはできない」と述べている.すべての入所者が,可能な限り痛みから解放される権利があり,医師や看護者は,倫理的責任として,入所者がこの権利を遂行できるよう尽力しなければならない,患者の介護の質を改善するため,いわば5番目のバイタルサインである痛みのアセスメントが基本的看護ケアの標準として取り入れられるべきである.
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