特集 老年科
【高齢者診療の「要」】
6.高齢者の急性期病態における治療指針決定のプロセス—実践例から学ぶ共有意思決定
樋口 雅也
1,2
Masaya HIGUCHI
1,2
1Department of Medicine, Columbia University Medical Center
2Division of Geriatrics and Palliative Medicine, Weill Cornell Medical Center
pp.633-643
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900482
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高齢者のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)や,事前指示(アドバンス・ディレクティブ)の重要性が叫ばれている。しかし,それらが広く普及しているとはいえない現状だ。特に急性期病院では,事前に十分な話し合いがない状況での意思決定を余儀なくされることも多い。このような状況では,患者・家族だけでなく,医療者にとっても,患者の価値観や人生観を医療に反映する意思決定は大変難しいとされている1)。
意思決定とは,いくつもの小さなプロセスの積み重ねである。一度に大きな決断をし,それで終わりなのではない。本稿では,医療者と患者・家族が,病状,価値観,感情を共有し,意思決定を共同作業で行うプロセスとして,Shared Decision Making(SDM)2),すなわち共有意思決定について解説し,症例を通して具体的に示していきたい。
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