連載 ホスピタリストが日本の医療を変える・case 1【新連載】
水戸協同病院—完全型Department of Medicineによる地域医療の再生
徳田 安春
1
1筑波大学附属病院 水戸地域医療教育センター・水戸協同病院 総合診療科
pp.130-132
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900468
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いつから意識障害や失神が専門外に
最近の医療崩壊の原因として挙げられているのは,主に医師不足であるが,医師不足を解消しても医療崩壊は解決できない。近年の臨床教育で育った医師は,臓器別分化が進みすぎて守備範囲が狭く,地域ですべての診療科をカバーする医療を展開するためには,すべての臓器別診療科の医師を取りそろえることが必要となる。しかし,我が国の地域医療の多くは中小病院が支えており,このような中小病院では全診療科の医師を確保することは無理である。
一方,大病院ではどうか。昼間の診療ではすべての臓器別診療科で対応することができても,夜間ではかなり「狭い守備範囲」となっている場合が多い。多くの病院が1人ないし数人の当直体制で,当直医の専門分野のみ患者受け入れが可能,というところが多い。自病院の「かかりつけ患者」が夜間急病で受診を希望しても,当直医師の「専門外」という理由で受け入れ困難,ということがまかり通っている。
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