グラフ
教育の充実が地域医療を救う―総合病院 水戸協同病院・筑波大学附属病院 水戸地域医療教育センター
pp.981-984
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101585
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茨城県の中央部に位置する水戸協同病院(以下,当院)は,大正8年から続く地域医療の中心的存在として,JA(全国農業協同組合連合会)茨城県厚生連が運営している.東京に近い茨城県南部と違い,北部から中央部にかけては地域住民の高齢化とともに急速に医師不足が進んでおり,現病院長の平野篤医師が赴任してきた平成14年頃には医師が疲弊しきっていた.平野院長は当時を振り返って「医師が現場を去る一番の原因はバックアップ体制がないこと.周りに支援してくれる医師がいないと,医師は自分の専門以外の患者さんを診ないようになる.それでは地域医療を続けていくことはできない」と語る.病院存続のために整形外科やリハビリテーションに特化した専門病院に移行するしかないかという瀬戸際にも立たされたが,JAの社会貢献という精神にのっとり,「地域の高齢者に必要なケアをやめるわけにはいかない」と,総合病院として地域に根差した医療を続ける道を選んだ.
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