連載 気楽に学ぼう身体所見・第1回【新連載】
脾腫
清田 雅智
1
1飯塚病院 総合診療科
pp.134-138
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900469
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画像診断装置の発達により,体内の臓器の様子が手術をせずに推測できるようになった結果,身体所見に対するこだわりが失われつつある,と筆者は感じている。私自身は安部宗顕先生という師匠から,4か月間身体所見について手とり足とり学んだ経験があり,それが現在の自分の血肉になっているのを感じている。かのJoseph Sapiraも,その著書1)の序文で,Jack MyersというPittsburgh大学の医師から学び,またそのMyersはSoma Weiss(Mallory-Weiss症候群のWeissである)に学んだ,というエピソードを語っている。私はその後Pittsburgh大学のMicheal Lamb先生に身体所見を再度学ぶことがあったが,彼もまた,Myersの弟子であった。身体所見を語ると,画像診断に頼れなかった時代の医師の努力と,医学の歴史がそこには感じ取れる。そこで,このコーナーは極力エビデンスだけにとらわれない読み物として,身体所見の連載を試みたい。
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