Derm.2012
垣間見た米国の医療事情
下村 裕
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科遺伝性皮膚疾患研究室
pp.114
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103291
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米国コロンビア大学に留学した際,子供たちを帯同したこともあり,外用剤などを少し多めに引っ越し荷物に入れておいた.それはもちろん家族の役に立ったが,私が皮膚科医だと知られると,ちょっとした皮膚疾患を相談されることも珍しくなかった.留学経験のある医師ならどなたでも経験のあることだと思うが,特に皮膚疾患は,特別な診察器具がいらない(と思われている)ことも多いため,「こんなのができてるんだけど」と相談されやすい分野であろう.
相談されたのが湿疹・皮膚炎であった場合は,持ち込んだ外用剤を渡すととても喜んでもらえた.しかし,さすがにすべての皮膚疾患を治療できるほどの品揃えではなかったため,ラボの中国人技官が帯状疱疹になった際には,とにかく今日中に皮膚科に行かなきゃ駄目と説得して,マンハッタンのチャイナタウンにある皮膚科医院に連れて行ったところ,お礼にこの世のものとは思えないほどおいしい春巻きを作ってもらった.
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