特集 膠原病
【症状に対する診断的アプローチ】
4.呼吸器症状—膠原病に特異的な症状はなく,所見との組み合わせで疑う
皿谷 健
1
,
北村 浩一
2
,
岩波 慶一
3
Takeshi SARAYA
1
,
Koichi KITAMURA
2
,
Keiichi IWANAMI
3
1杏林大学医学部 呼吸器内科
2練馬光が丘病院 総合診療科
3練馬光が丘病院 膠原病・リウマチ内科
pp.335-350
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900358
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呼吸器症状は最もありふれた主訴の1つであり,一般的に呼吸困難の原因疾患に膠原病が認められることはまれである。しかし,肺先行型の膠原病もあり,見逃せば致死的となることもある。
呼吸器症状から膠原病を診断するには,呼吸器症状以外の膠原病を疑わせる所見を見逃さず,患者の訴え,症状の背景に膠原病が隠れていないか,と疑い続けることである。ここで特に強調したいのは,膠原病に特異的な呼吸器症状は存在しないということであり,症状,所見の組み合わせで膠原病を疑うということである。そのためには全身を網羅するreview of systems(ROS)を駆使することが重要である(表1)。
本稿ではそのありふれた呼吸器症状からどのようにして膠原病を想定し,評価,診断していくかについて解説する。
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