特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
㉓症状・所見は常に非特異的…!?
大塚 勇輝
1
,
大塚 文男
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.298-300
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204717
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Case
患者:60代、男性
主訴:倦怠感、食思不振
既往歴・併存症:狭心症
家族歴:母と妹が関節リウマチ
現病歴:生来健康で社交的な性格であった。定年退職後のX-3年より特に誘因なく全身倦怠感と食思不振が持続するためA病院内科を受診し、また経過中に関節変形も認めたためB病院の膠原病専門外来も受診したが、それらの原因は不明のままであった。器質的異常が指摘されないことから、最終的にC病院精神科で「うつ病」と診断され入院となり、薬物療法やリハビリテーションが施行されたが、徐々に症状は増悪した。寝たきり状態となり、経口摂取困難のため胃ろうも造設された。3年間の経過ののち、本人の精査希望により、X年に当院総合内科へ紹介となった。
身体所見:身長164cm、体重44kg、BMI 16.5kg/m2。血圧122/80mmHg、脈拍数77回/分、体温36.7℃。顔貌は仮面様。挺舌の制限や構音障害あり。甲状腺腫なし。心音整、心雑音なし。肺野ラ音なし。腹部平坦・軟、圧痛なし。手指に熱感・腫脹はないが、リウマチ様変形あり(図1)。肘・膝関節の拘縮あり。皮膚色素沈着を認めず。
内服:精神科;クロチアゼパム、エチゾラム、ミルタザピン、内科;ラベプラゾール、耐性乳酸菌製剤、モサプリド、酸化マグネシウム、クエン酸第一鉄、アスコルビン酸・パントテン酸配合剤、ニトログリセリンテープ
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