特集 消化管疾患
8.胃・十二指腸潰瘍—原因の90%以上はNSAIDsとH. pylori感染
山田 徹
1
Toru YAMADA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科/消化器内科
pp.749-769
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900337
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消化性潰瘍peptic ulcer diseases(PUD)は,日本における主要な疾患の1つで,日常診療で遭遇する機会が非常に多い。PUDは消化器疾患だが,消化器内科医よりは,初診外来や救急外来を担当する後期研修医や総合内科医,あるいは家庭医が診察するほうが多い。その場合,患者はPUDとしてではなく,多彩な症状,ディスペプシアを主訴として受診する。したがって,それらのなかから上部消化管内視鏡検査esophagogastroduodenoscopy(EGD)を行うべき症例を適切に選び,PUDの診断がついた場合には原因は何か,治療とその期間はどうするか,また,治療に反応が悪いPUDを診たときに何を考えるかが,日々の診療の重要なポイントとなる。本稿では,当院総合内科の後期研修医が押さえておくべき内容を目安として,PUDの疫学,症状,診断,原因,治療と合併症について,その基本的な事項をまとめる。詳細は成書を参照していただきたい。
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