特集 外来における予防医療
7.一般健診編:③脂質代謝—欧米のガイドラインは参考とし,患者を前にした自らの判断で
小宮山 学
1
Manabu KOMIYAMA
1
1湘南真田クリニック
pp.411-415
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900256
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■疫学
平成25年度の国民健康・栄養調査1)の「血中コレステロールに関する状況」によると,全調査対象者の血清総コレステロールの平均値は,男性196.6mg/dL,女性207.3mg/dLであり,「総コレステロール240mg/dL以上」および「コレステロールを下げる薬または中性脂肪を下げる薬の使用者」の全対象者に対しての割合(≒有病率)は,20歳以上の男性の10.3%,女性の16.8%であった。過去10年間の平均の血清総コレステロールの推移をみても,男女ともに著明な変化は認められない。
食生活の欧米化や交通手段の発達などに伴う運動量の低下が指摘されて久しいが,日米の男女でそれぞれの総コレステロール値の推移をみると,1990年以降,日本人の総コレステロール値は米国人と同レベルに至り,その後,近年は変化が認められない傾向にある。
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