特集 血液疾患
9.内科で遭遇し得る緊急症:③血球貪食症候群(HLH)—生検なくして診断なし
平井 由児
1,2,3
Yuji HIRAI
1,2,3
1順天堂大学 総合診療科
2東京女子医科大学 感染症科・血液内科
3東京都保健医療公社 多摩北部医療センター 内科
pp.987-999
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900201
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
血球貪食症候群hemophagocytic lymphohistiocytosis(HLH),いわゆる「ヘモファゴ」と呼称される疾患は,1例でも経験があれば強く記憶に残る疾患の1つである。その一方で,経験がなければ,得体の知れない不安感を抱きがちである。本疾患は,多彩な鑑別診断を要するにもかかわらず,予後不良で劇的な経過を呈する,一種の緊急疾患である。
本稿では,専門診療科のない病院や,血液内科や膠原病科といったHLHを経験する可能性のある診療科での研修を受けていない読者を想定し,本疾患の理解と,特に専門施設でなくとも評価が可能な検査方法・対応を中心に示す。本疾患を疑う際に,少しでも診断の参考になり,効率的なアプローチとマネジメントが可能となれば幸いである。
Copyright © 2015, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.