特集 代謝内分泌
4.甲状腺機能亢進症・中毒症—甲状腺ホルモンの作用を知ることが疾患理解への近道
桝澤 政広
1
Masahiro MASUZAWA
1
1亀田総合病院 糖尿病内分泌内科
pp.41-55
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900128
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甲状腺中毒症thyrotoxicosisとは,組織での不適切に高い甲状腺ホルモンレベルにより引き起こされる臨床的な状態のことを示し,甲状腺機能亢進症hyperthyroidismとは,甲状腺中毒症のうち,甲状腺による不適切に高い甲状腺ホルモンの合成と分泌の状態によって起こるもの,と定義されている1)。甲状腺中毒症は,臨床の場で遭遇する頻度の高い内分泌疾患である。その症状は多様であり,同時にその原因も複数存在し,一般臨床医にとっては複雑にみえる。しかしながら,内分泌疾患はホルモンの作用機序を把握し,病態を考えると理解しやすい。
本稿では,症状や鑑別疾患などを羅列するのではなく,現在までに判明,または推測されている甲状腺ホルモンの作用機序と,薬物による甲状腺への影響などを中心に述べ,理解を深めたい。
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