特集 PICS 集中治療後症候群
Part 5 コメディカル・地域におけるPICS
後書き:PICS:全人的そして家族も含めた究極的な予防医療への第一歩
藤谷 茂樹
1,2
Shigeki FUJITANI
1,2
1聖マリアンナ医科大学 救急医学
2東京ベイ・浦安市川医療センター
pp.205
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200490
- 有料閲覧
- 文献概要
Global Sepsis Allianceは2010年に設立され,World Sepsis Day(毎年9月)に会議が開催される。その会議の目標には,敗血症の予防対策,早期発見,そしてPICS予防の一部である適切なリハビリテーションの提供などが含まれている。
集中治療後症候群postintensive care syndrome(PICS)という概念は,Society of Critical Care Medicine(SCCM)により2010年に提唱された。PICSには3つの障害「運動機能障害,認知機能障害,精神障害」があり,今や世界の流れは,重症患者をいかに機能的に入院前の状況に戻すか(functional reconciliation)にフォーカスが向けられている。数年前まではABCDEバンドルがメインストリームであり,Eのearly mobility and exerciseまでを日常ルーチン業務として回診で行うことが標準であった。しかし,生活の質(QOL)を,患者本人のみでなく家族も含めて,3つの機能を最大限に戻すことが今後は求められてくる。ABCDEFGHバンドルがその実践編である。PICSは多職種との連携が必要であり,今回の特集では,チーム医療をするうえで重要な職種(看護師,理学療法士)にも,どのような工夫をしているか実際の現場での取り組みなども含めていただいた。
Copyright © 2018, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.