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第7回:操作変数法を知っていますか?
笹渕 裕介
1
1自治医科大学 データサイエンスセンター
pp.1035-1041
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200464
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「ある治療法を受けた患者のアウトカムは改善するのか?」を観察研究で評価するにあたり,治療を受けた患者と受けなかった患者の比較可能性が大きな問題となります。つまり,より重症である患者ほど,その治療法を受けやすかったり,特定の疾患をもつ患者はその治療を避ける傾向があったりするような場合には,2群をそのまま比較することはできません。
そこで,プロペンシティスコアマッチングを行うと,重症度や特定の疾患といった交絡因子の影響を取り除くことができるため,2群のアウトカムを比較することで治療効果を推定できることを前回述べました。しかし,プロペンシティスコアは未測定の交絡因子の影響は排除できません。
このような場合に利用する方法が操作変数法です。
今回は,未測定の交絡要因を調整するための方法である操作変数法について,その概要を解説し,後半でこの方法を用いた研究を取り上げ,その“Methods”を詳しく見ていきます。
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