連載 数式不要!はめ込み統計学 保健師のための統計これだけ・6
連続変数の解析—正規分布について知ろう
加藤 丈夫
1
1山形市保健所
pp.520-526
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201213
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連続変数の解析
連続変数で解析した方が有意差の検出感度が高い
これまでに述べましたように,フィッシャーの正確検定はカテゴリー変数を解析する統計手法です。しかし,連続変数でもカテゴリー変数に変換すればフィッシャーの正確検定を用いて解析を行うことは可能です。一応,これでも多くの場面の統計解析を行うことが可能なのですが,ここまで統計を学んで勉強をやめるのはもったいないです。
市町村役場や保健所は,住民の健診データを集計・評価し,それに基づいて住民の健康対策や健康行政の指針を立てることが極めて重要です。健診データには,身長(cm),体重(kg),腹囲(cm),血圧(mmHg),脈拍数(/分)空腹時血糖(mg/dL),HbA1c(%),血清の各脂質(mg/dL),肝機能,腎機能など,連続変数で表される検査項目がたくさんあります。そして何より,連続変数をカテゴリー変数に変換してから解析するよりも,連続変数のままで解析した方が,一般にp値が小さい値になります。換言すれば,有意差が出やすくなります。
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