特集 中毒
Part 2 診断と治療のアプローチ
【コラム】二次被害を防ぐ安全管理
髙見 浩樹
1
Hiroki TAKAMI
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科
pp.571-574
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200415
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Toxicology Investigators Consortium Case Registryの報告では,中毒の原因の多くは向精神薬や市販の風邪薬の過量服用であるとされ1),読者の印象も同様だと思われる。しかし,なかには医薬品以外の毒物の摂取により,何らかの症状を訴えて来院する患者もいる。毒物によっては,事前の準備を怠ると自分を含めた医療スタッフや他の患者に被害が及ぶ可能性がある。場合によっては,外来や病室が使用不可能となってしまう可能性もあるため,十分な注意が必要である2)。そのような中毒に対して,我々は医療機関としてどのように対応し,準備すればよいのかを解説する。
Summary
●有害物質による中毒や化学災害では,予想外の二次被害を生じることがあり,医療スタッフや他の患者への安全の配慮が重要である。
●医療機関における化学物質による災害では「CSCATTT」を意識して行動し,特に安全管理に関して理解する必要がある。
●二次被害を防ぐためには,平時からの事前準備および救急隊との連携や情報収集も重要である。
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