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犯罪被害者遺族のサポート・グループを運営する支援者の体験と二次受傷予防のケア
佐々木 健太
1
1みやぎ被害者支援センター
キーワード:
家族
,
死別
,
自助グループ
,
犯罪被害者
,
半構成的面接
,
グラウンデッド・セオリー・アプローチ
,
共感疲労
Keyword:
Family
,
Bereavement
,
Compassion Fatigue
,
Self-Help Groups
,
Grounded Theory
,
Crime Victims
pp.93-102
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
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犯罪被害者遺族(以下,遺族)に対する質の高い心理的支援方法を示すのは臨床心理学における喫緊の課題の1つである。本研究では遺族の支援方法としてサポート・グループ(以下,SG)に着目し,それを運営する支援者の体験を明らかにすることにより,支援者が安心して働くことができる方略を探ることを目指した。本研究は,時期を区切りながら,SGを運営する支援者の体験と二次受傷予防のケアについて検討することを目的とした。SGを運営してきた民間被害者支援団体の支援者13名にインタビューを行い,グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析し,19の上位カテゴリーとモデル図を生成した。その結果,SGを運営する支援者の体験として「SGの肯定的変化の実感」,「支援者自身の成長実感」,「情緒的な揺れ」,「運営・進行の難しさ」が,二次受傷予防のケアとして「支援者間の支え合い」と「セルフケア」が示された。
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