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私が医師になったばかりの2004年,Surviving Sepsis Campaign guidelines (SSCG 2004)1)が発表された。その最初の項目である初期蘇生initial resuscitationに,early goal-directed therapy (EGDT)が記載されていた。Riversら2)の研究を根拠に,中心静脈圧central venous pressure(CVP),平均動脈圧,尿量,中心静脈血酸素飽和度(ScvO2)または混合静脈血酸素飽和度(SvO2)の目標値を達成すべく治療を開始せよ,とあった。特に補液に関してRiversらの原法では,とにかくまず目標CVPを達成すべく補液をするプロトコルで,これは初期研修医であった私にとって衝撃であった。なぜなら,相当な経験を積まなければ管理ができないと信じていた敗血症性ショックに関して,集中治療医でなくとも,初期研修医であっても,敗血症性ショックを見つけた時点で初期管理が開始できる,ということが示唆されていたからである。
さらに,SSCG 2004は米国集中治療医学会Society of Critical Care Medicine(SCCM),欧州集中治療医学会European Society of Intensive Care Medicine(ESICM),国際敗血症フォーラムInternational Sepsis Forum(ISF)の3つの団体により作成されており,加えてスポンサー団体として米国クリティカルケア看護師協会American Association of Critical-Care Nurses(AACN),米国胸部疾患学会American College of Chest Physicians(ACCP),米国救急医学会American College of Emergency Physicians(ACEP),米国胸部学会American Thoracic Society(ATS),オーストラリア・ニュージーランド集中治療医学会Australian and New Zealand Intensive Care Society(ANZICS),欧州臨床微生物感染症学会European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases(ESCMID),欧州呼吸器学会European Respiratory Society(ERS),米国外科感染症学会Surgical Infection Society(SIS)が名を連ねていた。
まさに世界標準治療だ,と感じた。
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