書評
PICOから始める医学文献検索のすすめ
島田 英昭
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1東邦大学消化器外科・臨床腫瘍学
pp.1168
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_1168
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- 文献概要
南江堂からまた1冊,本文わずか144頁であるが,すぐに役に立つ良書が発刊された.まずはシステマティックレビュー初心者にぜひ熟読をおすすめしたい.診療ガイドラインのClinical Question (CQ)担当チームにはじめて参加予定の若手医師にとって,非常に重宝するものと思われる.また,初期研修医レベルから「英文検索のイロハ」を勉強するにはたいへん便利である.医学生・研修医レベルは「基礎編」からじっくり熟読をおすすめする.専門医レベルは「発展編」からでも十分に楽しめる.もちろん「文献検索」はすでに日常診療のルーチンワークである.毎日の診療でのちょっとした疑問や発見は,ただちに文献検索で確認しよう.医学中央雑誌も非常に便利ではあるが,さすがに和文検索だけで「この症状にはこの治療」と断定するのは少々危険である.まれな疾患・病態であればなおさら「英文検索」は必須作業である.「英文検索」には,上手なキーワード設定が基本中の基本である.検索方法を間違えると膨大な文献数に無駄な時間を費やすことになる.ピンポイントで日常診療の疑問に答える文献を探すこと.このスキルは初期研修医が最優先で修得するべきスキルかもしれない.当たり前であるが,指導医が熟知していなければ,研修医を指導できないのは当然?
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