特集 管/ドレーン
第4章 泌尿器系の管
1.尿道カテーテル—種類,選択法,管理,マイナートラブルシューティング
八木橋 祐亮
1
Yusuke YAGIHASHI
1
1沖縄県立中部病院 泌尿器科
pp.627-636
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200303
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
尿道カテーテルは,集中治療分野のみならず,内科系・外科系ほぼすべての診療科において使用される。医師だけでなく看護師も扱うデバイスの1つである。急性尿閉や血尿などの泌尿器科疾患に対して使用する以外に,周術期や重症度の高い疾患における経時的尿量モニタリング,骨盤骨折など患者を動かせない場合の管理,脊髄損傷に伴う神経因性膀胱の急性期管理,Fournier壊疽など会陰部の創管理などにも使用される。
本稿では,泌尿器科医以外の医療従事者,主にICU従事者にとって尿道カテーテルに関して必要と思われる項目について述べる。また,ICU従事者が対応に苦慮するのは,尿道カテーテルの挿入困難もしくは抜去困難に遭遇した場合かと思われるので,泌尿器科医以外の医療従事者がどこまで対応すべきかについても述べたい。
Summary
●状況に応じた適切なカテーテルの選択が重要である。
●尿道カテーテルの挿入が困難な場合に選択するカテーテルを知り,状況に応じて判断する。
●挿入が困難な場合に,膀胱鏡以外にガイドワイヤーを用いた方法がある。
●尿道カテーテル抜去が困難な場合への対処方法をを知り,慌てずに対応する。
●男性における医原性尿道損傷の予防に,以下の2点が当たり前だが重要である。
1.尿道カテーテルを分岐部まで挿入する。
2.尿流出をきちんと確認してからバルーン固定水を注入する。
Copyright © 2016, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.