特集 管/ドレーン
第3章 腹部消化管領域の管
2.コロレクタールチューブ—挿入・留置法の実際と管理の注意点
山口 裕
1
Yutaka YAMAGUCHI
1
1沖縄県立中部病院 救急科
pp.587-593
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200299
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コロレクタールチューブは,大腸癌などによる大腸閉塞の減圧目的で用いられる経肛門的に挿入される“管”であり,各社から発売されている(図1,2)。同チューブは,経肛門的腸管減圧術colonoscopic retrograde bowel drainageの一方法であり,“経肛門イレウス管”と呼称されることもある。本稿では,最も多い適応である,結腸・直腸癌に伴う大腸閉塞に対する同チューブの挿入法,管理法を中心に,適応疾患,合併症について,症例をもとに論じる。
Summary
●結腸・直腸癌に伴う大腸閉塞に対するコロレクタールチューブの挿入,留置,管理においては,大腸閉塞に伴う閉塞性腸炎を生じた脆弱な粘膜に処置を行っているということに注意すべきである。
●主な合併症は腸管穿孔であるが,挿入時のガイドワイヤーによる穿孔,留置したチューブの先端やバルーンによる圧挫性の遅発性穿孔がある。
●結腸・直腸癌に伴う大腸閉塞については大腸ステントに置き換わっていくと思われるが,今後も良性疾患でのコロレクタールチューブの使用は続いていくと考えられる。良性疾患ではバルーンを固定する狭窄部分がないこともあり,逸脱に注意する。
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