特集 管/ドレーン
第2章 胸部領域の管
3.胸部手術後のドレナージ—目的に合わせたドレーン管理
武部 学
1
Manabu TAKEBE
1
1New York University Medical Center
pp.571-577
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200297
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胸部手術後のドレーン留置の目的は,①空気や血液,体液のドレナージ,②胸腔,心囊内の状態を知る(インフォメーション)ことであるが,手術によって術後合併症の種類,頻度が異なるため,その目的も管理も異なる。本稿では,心臓手術,肺手術やその他の胸部手術の術後におけるドレーン管理について述べる。
Summary
●その手術におけるドレーンの目的を理解し,目的に応じたドレーンの種類を選択する必要がある。
●心臓手術後のドレーンは,特に出血の管理のために留置される。出血時の対応としては,体温管理,血圧管理(PEEPの管理),薬物療法,輸血がある。
●肺手術後の気胸を評価し,エアリークがある場合は化学的胸膜癒着術やHeimlich valveで対処する。
●乳び胸の鑑別疾患には,感染と悪性腫瘍が挙げられ,診断がつかないときにはリポプロテイン解析を行う。
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