特集 産科ICU
【コラム】β刺激薬とPGE2,昇圧薬—その安全性,妥当性を問う
須賀 芳文
1
,
讃井 將満
2
Yoshifumi SUGA
1
,
Masamitsu SANUI
2
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
2自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部
pp.296-302
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200268
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本コラムでは,周産期に頻用される薬物のうち,海外の使用法と本邦のそれとが異なる薬物,近年評価が変化しつつある薬物として,代表的なβ刺激薬,プロスタグランジンE2(PGE2),昇圧薬を取り上げ,文献的なレビューを行う。おそらく読者は,読み進むうちに,薬理作用vs.臨床効果,海外vs.日本,過去vs. 現在などの二項対立の存在に気づくはずである。解決しがたいこれらの二項対立の狭間で,産科集中治療にかかわるスタッフがどのように意思決定すればよいか,本コラムが少しでもそのヒントになれば幸いである。
Summary
●リトドリンは,切迫早産に使用される代表的なβ刺激薬で,日本では広く使用されているが,欧米ではその副作用を重くみて使用が制限されている。
●リトドリンは,肺水腫や横紋筋融解症などの重篤な合併症を起こすことがあり,十分なモニタリングのもとに使用されるべきである。
●日本におけるPGE2製剤は,経口剤の使用が認められている。
●従来,妊婦に対する昇圧薬の第一選択薬はエフェドリンであったが,フェニレフリンにその地位を明け渡し,ノルアドレナリンの使用も検討されている。
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