特集 心臓血管外科 後編
心臓血管外科における周術期管理
7.薬物の適応とcontroversyその1—冠血管拡張薬,フロセミドカルペリチド,トルバプタン
小山 洋史
1
,
讃井 將満
2
Hiroshi KOYAMA
1
,
Masamitsu SANUI
2
1自治医科大学附属さいたま医療センター 救急部
2自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部
pp.67-74
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200242
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本稿では,心臓血管外科周術期に頻用される薬物について,現時点での文献的な背景を振り返ってみたい。代表的な薬物として,冠血管拡張薬(ジルチアゼム,硝酸薬,ニコランジル),フロセミド,カルペリチド,トルバプタンを取り上げる。多くの施設で“ルーチン”に使用されている薬物も多いのではないだろうか。ともすれば,投与していること自体で,あるいは投与後の反応のみに充足感を覚えがちなこれらの薬物について,いったいどの程度の文献的な根拠があるのであろうか。
Summary
●心臓外科術後に強く推奨できる薬物は存在しない。
●心臓外科術後においては,呼吸・血行動態の適正化が最重要課題であり,それぞれの薬物の薬理学的特性,長期・短期的なリスクベネフィットを総合的に判断しての使用が望まれる。
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