特集 内分泌・代謝・電解質
4.高ナトリウム血症—医原性発症を避けるマネジメントと発症後の早期介入が大切
山本 良平
1
,
笹野 幹雄
1
,
林 淑朗
1,2
Ryohei YAMAMOTO
1
,
Mikio SASANO
1
,
Yoshiro HAYASHI
1,2
1鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
2The University of Queensland, Centre for Clinical Research
pp.493-502
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200185
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高ナトリウム(Na)血症は集中治療領域でcommonな病態である。高Na血症は人体にさまざまな悪影響を及ぼし,また,死亡率上昇の独立した危険因子である。集中治療患者は鎮静,挿管,意識障害などの理由で,口渇感を訴えることができず,経口飲水ができない状態で管理されている。それ故に,我々集中治療医は適切な塩類と水分のバランスを保てるよう慎重にマネジメントしなければならない。本稿では高Na血症に関する最近の知見を交えて,疫学,診断,治療について概説する。
Summary
●高Na血症は集中治療領域でcommonな病態である。
●医原性の高Na血症が多く,高Na血症を避けるようマネジメントすべきである。
●高Na血症の危険な値や補正の速度に関する質の高い論文はない。
●ICP亢進症に対する,治療的高Na血症の有効性を示した質の高い論文はない。
Copyright © 2015, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.