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院外発症の心肺停止患者にECMOを導入する治療法extracorporeal cardiopulmonary resuscitation(ECPR)に,その費用,労力に見合うだけの効果があるのか疑問に思うことはないだろうか。VA ECMO(PCPS)を導入すると,その手技料,材料費だけでも約50万円かかる。さらに,救命救急入院料もかかり,低体温療法,大動脈内バルーンパンピング(IABP),持続的血液透析濾過(CHDF),冠動脈ステント留置などを同時に行うため,高額な医療費がかかることになる。SAVE-J研究(study of advanced life support for ventricular fibrillation with extracorporeal circulation in Japan)では,院外心肺停止症例に対するECPRの効果を検証しており,中間報告ではECPRをしなかった群と比較し,有意に転帰が良好であったことを示している。また,その転帰の改善がECPRにかかる費用に見合うだけのものであったのかどうか,費用対効果の検討も行っている1)。本稿では,SAVE-J研究の中間報告からECMOに要するコストについて解説し,さらに,他の治療法と比較しての費用対効果についても触れる。
Summary
●SAVE-J研究では,院外心肺停止に対するECPRの費用は,効果に見合っており,検討するに値する治療法と位置づけている。
●今回示した結果はSAVE-J研究の中間解析でのデータに基づいており,現在最終データによる解析を進めているところである。
●諸外国では,新たな治療法や薬物の保険適用の是非を検討する際に,費用対効果も考慮している。適応症例により,費用対効果も変化するので,費用の側面から適応を検討するのも1つの手段である。
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