特集 呼吸器離脱
6.離脱困難患者の基礎医学―Part 1:呼吸仕事と呼吸筋疲労
竹内 宗之
1
,
橘 一也
1
Muneyuki TAKEUCHI
1
,
Kazuya TACHIBANA
1
1大阪府立母子保健総合医療センター 麻酔集中治療科
pp.779-787
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100476
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我々は人工呼吸器からの離脱が困難な患者にしばしば遭遇する。これらの長期人工呼吸患者に対して,1日に1回自発呼吸トライアルを行えば,人工呼吸期間やICU滞在時間が短縮する1)ことが知られている。自発呼吸トライアルに合格しない患者においてよくみられるのは,十分な換気量がとれず呼吸数が増加し,呼吸補助筋を使って喘ぎ,PaCO2が上昇するパターンである。このような患者では,呼吸をするために必要なパワーを呼吸筋が出せていないことが問題のように見える。
本稿では,このような患者の人工呼吸器からの離脱をイメージしながら,患者の呼吸に要する負荷を定量的に表す機械的呼吸仕事量や,pressure-time product(PTP)の概念と呼吸筋疲労について概説する。
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