Japanese
English
特集 呼吸筋
呼吸筋の疲労
Respiratory muscle fatigue
有田 秀穂
1
Hideho Arita
1
1筑波大学基礎医学系
1Institute of Basic Medical Sciences, The University of Tsukuba, School of Medicine
pp.1085-1091
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204736
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呼吸筋疲労は,慢性閉塞性疾患(COPD)患者の換気不全時,喘息患者の重積発作時,あるいは,呼吸不全患者の人工呼吸器離脱後weaning時などでしばしば問題となり,それゆえ,呼吸筋疲労は急性,慢性の呼吸不全の一病態とも考えられている。また,呼吸筋不全(疲労)は肺胞低換気を助長させて,呼吸不全状態を更に悪化させるために,その診断法,治療法の確立が強く望まれてきている。近年Macklem, Roussosらのグループの先導的な仕事を契機として1,2),呼吸筋疲労の研究が多方面から報告されてきているが,未だ十分な情報が蓄積されてきているとはいえない。ここでは最近の知見をもとに,次の2つのテーマに焦点をあてて論ずることとする。第一は,呼吸筋疲労の診断的価値の高い胸腹壁運動の異常について,COPD患者,喘息患者の場合を中心に考察する。第二は,呼吸筋疲労の重要な機序としての興奮—収縮連関の不全について,その生理的基礎と治療薬の面から検討を行う。
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