特集 外傷
4.ICU入室
井上 潤一
1
Junichi INOUE
1
1国立病院機構災害医療センター 救命救急センター
pp.485-496
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100318
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北米型の外傷診療システムをとらない我が国では,重症外傷患者も原則として直近の施設に収容される。したがって,現状では1施設当たりで経験できる症例数は多くはない。また,外傷患者が内因性疾患や一般の術後患者と同じICUに入室する施設も多く,定型的な対応がとりにくい外傷患者に対して,ともすると“手間がかかり”,“扱いが難しい”と感じられているかもしれない。しかし,重症外傷患者こそまさに集中治療が必要であり,さらに近年では保存的治療の適応拡大や,重症外傷患者に対するdamage control strategy(DCS)*1というICUでの集中蘇生治療を最重視した治療戦略が普及し,外傷患者の治療におけるICUの重要性はますます高まっている。本章では外傷患者を遅滞なく受け入れ,かつ適切な術後管理を開始するために必要なポイントについて述べてみたい。
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