Japanese
English
研究と報告
進行麻痺の病後歴
Catamnestic studies of patients with general paresis
明石 淳
1
,
石川 俊輔
1
,
吉田 光雄
1
,
森井 章二
1
,
大島 重利
1
,
宮佐 恭平
1
,
多田 勲
1
,
岩田 高
1
1徳島大学医学部神経精神医学教室
pp.913-919
発行日 1961年11月15日
Published Date 1961/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200387
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緒言
われわれが日常精神病患者を扱つていて,いつも心に残ることは,これらの患者たちがわれわれの手を離れたのち,どんな運命をたどつているであろうかということである。進行麻痺については,マラリヤ療法出現以前の,そのまま放置すれば,大多数が数年を経ずして死亡してしまつていた時代1)に比べると,現在のわれわれは,はるかに有効な治療法をもつてはいる。しかしわれわれの行なつた臨床統計2)でも示されるように,退院時にどうにか一人で社会に適応してゆけるもの(治癒,社会寛解を含めて)は,わずかに32.6%で,まだまだ十分な治療体制が確立されたとはいえない。
このようなことから,資料は十分ではなかつたが,われわれの治療法の反省や,この疾患の今後の医療的あるいは社会的な対策について,なにがしかの示唆がえられたらと思い,この病後歴の調査を行なつた。
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