連載 米国ICUフェローからのメッセージ
第2回:ICUにおけるプロトコールの普及
永松 聡一郎
1
1University of Minnesota 呼吸器内科・集中治療内科
pp.404-407
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100209
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昨今の米国の医療現場はプロトコール化が進んでいる。私がインターンであった数年前は,ADCAVANDIML*1 というmnemonic(語呂合わせ)をたよりにしながら,医師は紙のオーダー用紙に,おのおの好みのオーダーを記入していた。当時はプロトコールといっても,急性冠症候群や急性肺梗塞に対するヘパリン静注プロトコールや,糖尿病ケトアシドーシスに対するインスリン静注のプロトコールしかなかった。各医師はそれぞれ好みのオーダーを行い,「こういったオーダーの書き方をすると,内容が明確になって,ナースからの問い合わせが少なくなるよ」などと言いながら,先輩から後輩へとうけつがれていくものであった。しかし,時代はプロトコールの全盛時代になり,こういった習慣も薄れつつある。
本稿では,米国の医療現場においてどのようにプロトコールが使用され,普及したのか説明したい。プロトコールをどのように設計し,運用するかという議論はまた別の機会に行う。
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