特集 不整脈
3.抗不整脈薬の薬理
【コラム】集中治療における静注β遮断薬について―急性心房細動治療を中心に
前川 裕子
1
,
山口 大介
1
Yuko MAEGAWA
1
,
Daisuke YAMAGUCHI
1
1東京大学医学部附属病院 救急部集中治療部
pp.738-743
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100153
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我が国において使用可能な静注用β遮断薬は,プロプラノロール,エスモロール,ランジオロールである。このうち,超短時間作用型でβ1選択性を持つエスモロールとランジオロールは,手術中の頻脈性不整脈に対し使用されてきた。さらに,我々集中治療医には福音であるが,2006年10月にランジオロールの保険適用が「手術後の頻脈性不整脈」へ拡大された。ランジオロールの国内売上(2008年度で約8万バイアル)推移を,あくまで「短時間作用型β遮断薬の集中治療領域での認知と使用の経時的変化」という観点からみると,2006年を機に大幅に増加し,その後も右肩上がりの漸増を示している。このことを考えると,集中治療領域で短時間作用型β遮断薬は不可欠な薬物なのだろう。
本稿では,集中治療における心房細動治療を,短時間作用型β遮断薬の使用意義と絡めて考えていく。
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