特集 不整脈
3.抗不整脈薬の薬理
(3)アミオダロン静脈内投与について―適応と期待される効果,副作用と注意点
平岡 栄治
1
,
筒泉 貴彦
2
Eiji HIRAOKA
1
,
Takahiko TSUTSUMI
2
1神戸大学医学部附属病院 総合診療部
2University of Hawaii, Internal Medicine
pp.715-723
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100149
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筆者が米国での内科研修中に最も頻繁に使用した静注用の抗不整脈薬はアミオダロンであった。米国では,プロカインアミドやフレカイニドは循環器医の指示のもとに投与されることが多いが,静注用アミオダロンは比較的安全で効果があるため,循環器医以外の医師の判断で投与されることがあり,緊急時は研修医レベルの判断で投与されることもしばしばあった。
アミオダロンは他の抗不整脈薬に比べて催不整脈作用が少なく,心拍出量も低下しないため,心室性不整脈だけでなく,上室性不整脈(特に心房細動)に対し,心機能低下症例でも使用できる。また,経口アミオダロンと違い副作用も少ないため,非常に使いやすい薬物である。日本でも2007年に発売されており,その使用方法,副作用に精通しておく必要がある。本稿では,米国のHeart Rhythm Society(HRS)によるアミオダロン使用に関するガイドライン1,2)を中心に,静注用アミオダロンについて症例提示を交えて概説する。
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