特集 不整脈
7.集中治療における特殊病態と抗不整脈薬の選択
(2)抗不整脈薬の有害事象について―投与により引き起こされる不整脈とその回避方法
塩塚 潤二
1
,
讃井 將満
1
Junji SHIOTSUKA
1
,
Masamitsu SANUI
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部
pp.847-854
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100129
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ICUにおいて抗不整脈薬の副作用を回避する最も確実な方法は「使わないこと」である。抗不整脈薬を投与するときに,「本当にこの不整脈は出てはいけないものなのか」を考えなくてはならない。循環器疾患の少ないICUで,どうしても治療する必要のある不整脈は数えるほどしかないはずであり,多くの場合は,関係者からのさまざまなプレッシャーに負けて抗不整脈薬を投与しているのではないだろうか。集中治療医にとっては,多種類の抗不整脈薬を使い分けることよりも,しっかりとした心電図の読影と,その意義を理解しておくことのほうが重要であると考えている。本章では,抗不整脈薬の有害事象について「催不整脈作用」と,経静脈製剤が承認され,循環器内科医以外にも広まりつつある「アミオダロン」を中心に概説する。
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