連載 ICUと皮膚病変
第3回:紫斑
川上 民裕
1
1聖マリアンナ医科大学 皮膚科学教室
pp.745-750
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100107
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紫斑は皮膚という臓器における出血を意味する。
その原因が血管壁にあれば血管炎,凝固因子にあれば抗リン脂質抗体症候群や電撃性紫斑病,後天性血友病,血小板にあれば血小板減少性紫斑病などの疾患が基盤として存在する可能性があり,これらの疾患から,播種性血管内凝固症候群へ移行することもあり得る。すなわち,紫斑は重篤な病態の前兆ともいえる。
そのため,全身状態が不良な患者が多い集中治療の場では,紫斑を認めた場合に血管炎および出血傾向や凝固系の異常を念頭において,すみやかに対応すべきである。
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