特集 モニター
5.肺動脈カテーテル(PAC)―その仕組みと原理,歴史的変遷と問題点
澤村 匡史
1
Tadashi SAWAMURA
1
1済生会熊本病院 心臓血管センター 循環器内科
pp.203-216
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100033
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現在主に使用されている肺動脈カテーテルpulmonary artery catheter(PAC)は,ほとんどがBalloon-tipped catheter,いわゆるSwan-Ganzカテーテルと呼ばれるものである。Swan-Ganzカテーテルという名称はその発明者のHarold J SwanとWilliam Ganzの名前をとってつけられた,エドワーズライフサイエンス社の登録商標である。Swan-Ganzカテーテル以前にも肺動脈カテーテルや右心カテーテル自体は存在したが,これをベッドサイドで挿入することを可能にし,広く臨床応用させたのはSwan-Ganzカテーテルの発明以降のことである。そのため,現在でもPACと言えばSwan-Ganzカテーテルを指すことが多い。
本稿では,まず現在のPACの主流であるSwan-Ganzカテーテルの構造と測定原理について述べ,次いで歴史的な変遷と議論に触れる。なお,PAC一般について述べる場合はPACとし,特にSwan-Ganzカテーテルの機能や特徴について述べる場合にはSwan-Ganzカテーテルと表記することにする。
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