連載 ICUフェローからのメッセージ
第11回:The Canadian Critical Care Trials Group:成功し続ける臨床研究グループとは
青山 和由
1
1University of Toronto 集中治療科
pp.146-150
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100020
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本稿のお話をいただいた際,日本でもJSEPTICが中心となり臨床研究グループが立ち上がったことを知りました。カナダ・トロントにおける自身の経験が少しでも皆様のお役に立てば,と思い筆を取りました。
The Canadian Critical Care Trials Group(CCCTG)をご存知でしょうか? もしご存知であれば,集中治療という分野で質の高い臨床研究論文(表1)を発表している彼らはどのように成功し続けているのでしょうか。
臨床研究の話題となると,リサーチ・クエスチョン,グラント(研究助成金),統計などが自ずと思い浮かびます。しかし,今回はそういった話には目を向けず,CCCTGという臨床研究グループの成功の背景を,自身の経験をもとに考察してみたいと思います。そのなかで,今後の日本における集中治療の臨床研究の方向性を垣間見ることができるかもしれません。
私は現在,カナダ全土の集中治療関係者が集まる臨床研究グループCCCTGのなかでも,中心的な役割を果たしているトロント大学の集中治療科にフェローとして所属しています。トロントでの臨床研究を,①日常診療,②リサーチ・カンファランス,③CCCTG,という3つのスケールで紹介し,CCCTGの成功の本質へ迫っていきたいと思います。
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