症例ライブラリー 術中の緊急コンバージョン—方針転換に対する迅速な対応
まとめ:クールな緊急コンバージョンを目指せ!
秋吉 浩三郎
1
Kozaburo AKIYOSHI
1
1福岡大学医学部 麻酔科学講座
pp.1160-1161
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203116
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手術は予定どおりに終了,患者さんは麻酔から覚醒し手術室から退室していく。担当した麻酔科医や外科医,看護師がホッとする瞬間だろう。しかし,すべての手術が予定どおり進むわけではない。4番目のシナリオでも取り上げた,大腿動脈アプローチで施行された経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)の開胸手術への緊急コンバージョンへの移行率は0.5〜2%と報告されている1〜3)。術中の急な方針転換は決してまれではない。今回,五つのシナリオでなされた迅速な対応の背景に共通するエッセンスとして,手術手技やその合併症に関する知識と理解,素早い状況認識と判断能力,そして多職種による協働があった。それらのエッセンスのもつ意味と,どうしたらこれらを身につけることができるのかについて,まとめたい。
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