徹底分析シリーズ 術前禁煙ができない患者へのアプローチ
多職種で行う禁煙支援—対象者のありたい姿を目指して
谷口 千枝
1
Chie TANIGUCHI
1
1愛知医科大学看護学部 成人看護学
pp.678-681
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202973
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喫煙患者にとって,病気の診断および手術は禁煙の絶好の機会となる。そのため,周術期の患者に対する禁煙支援の効果は高い。術前の禁煙支援の効果について,コクランレビュー1)では医療職による短時間の禁煙支援によって術前の禁煙成功率は1.3倍になると報告している。一方で,そのような短時間の術前禁煙支援は12か月後には効果がなくなる1)。手術を目的とした禁煙は,術後には動機がなくなり再喫煙しやすいと考えられる。禁煙外来などで行われる強い禁煙介入であれば長期的な禁煙成功率は上がるが,患者の術前にかかわる医療職の禁煙支援に充てられる時間は極めて短いのが現状である。
そこで本稿では,短時間の禁煙支援の効果を高めるための方策として,多職種で行う禁煙支援の目標と課題について説明する。加えて,それぞれの職種が短時間で禁煙支援できるための方法論について述べる。
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